デジタル疲れでネガティブになりがち?心のクセを整えるジャーナリングとオフライン時間
デジタル疲れがもたらす、気づかないうちに染みつく心のクセ
仕事でもプライベートでも、私たちは常にデジタルツールに囲まれて過ごしています。スマホ一つで世界中の情報にアクセスでき、SNSでたくさんの人と繋がることができます。その一方で、情報過多による疲弊や、SNSで他人のキラキラした生活を見ては自分と比べて落ち込んでしまうといった、デジタルならではの疲れを感じている方も多いのではないでしょうか。
こうしたデジタル疲れは、私たちの心に様々な影響を与えます。その一つに、ネガティブな思考に陥りやすくなるという傾向があります。常に多くの情報に触れ、刺激を受け続けていると、心が休まる暇がなく、漠然とした不安や焦りを感じやすくなることがあります。また、SNSでの比較から「自分にはあれがない」「自分はダメだ」といった否定的な考えが頭の中で繰り返されることもあります。
このような状態が続くと、ネガティブな思考が心のクセとして定着してしまうことがあります。自分では意識していなくても、物事を否定的に捉えたり、些細なことで落ち込んだりしやすくなってしまうのです。
ネガティブ思考のループから抜け出すために
もし、「最近、なんだか気持ちが晴れない」「ちょっとしたことで悲観的になってしまう」「頭の中で同じ悩みがぐるぐるしている」と感じることがあれば、それはデジタル疲れが心の状態に影響を与えているサインかもしれません。
このようなネガティブ思考のループから抜け出し、心穏やかな時間を取り戻すために有効なのが、ジャーナリング(書く瞑想)と、デジタルから離れて過ごすオフライン時間です。これらは、散漫になった心を落ち着け、内面に意識を向け、心のクセに気づき、整えるための手助けとなります。
ジャーナリングで心のクセを見つめる
ジャーナリングは、頭の中に浮かんだ考えや感情をそのまま紙に書き出すシンプルな方法です。デジタルツールを使わず、手書きで行うことで、より深く自分自身と向き合う時間を持つことができます。
ネガティブな思考のクセに気づくためには、ジャーナリングを以下のように活用してみるのがおすすめです。
1. 頭の中にある「ネガティブな言葉」を全て書き出す
特にテーマを決めず、今感じている不安や不満、自分自身へのダメ出しなど、心の中にあるネガティブな思いをノートに書き出してみましょう。「ああ、またこれを気にしているな」「こんな風に考えてしまうんだな」と、自分の思考パターンを客観的に見つめるきっかけになります。
2. 書き出した思考に対して、「本当にそうか?」と問いかけてみる
書き出したネガティブな思考は、必ずしも真実とは限りません。「自分は何もできない」と書いたなら、「本当に何もできないのだろうか?何か一つでもできたことはないだろうか?」と自問してみます。別の視点から物事を捉え直す練習になります。
3. ポジティブな視点を探してみる
ネガティブな感情や思考を書き出した後、それに対して「でも、こんな良い面もあるかもしれない」「この状況から何を学べるだろうか」といったように、意識的にポジティブな要素や学びの機会を探して書き加えてみます。すぐにポジティブになれなくても、「もしかしたら…」と可能性を書き出すだけでも効果があります。
4. 感謝していることや良かったことを書き出す
毎日、または週に一度など、感謝していることやその日にあった良かったことをいくつか書き出してみましょう。たとえ小さなことであっても構いません。「朝、美味しいコーヒーを飲めた」「空がきれいだった」「友人からメッセージが来た」など、ポジティブな側面に意識を向ける訓練になり、ネガティブな思考に偏りがちな心のバランスを整える助けになります。
ジャーナリングを続けることで、自分がどのような時にネガティブになりやすいか、どのような考え方のクセがあるかが見えてきます。それに気づくことが、心のクセを整えるための第一歩となるのです。
オフライン時間で心をリセットする
ジャーナリングと並行して大切にしたいのが、デジタルから物理的に離れるオフライン時間です。情報や刺激から距離を置くことで、心を静め、ネガティブな思考のループを断ち切る時間を作ることができます。
オフライン時間で心をリセットするための具体的な過ごし方には、以下のようなものがあります。
- 自然の中を歩く: 公園を散歩したり、近所の緑道を歩くだけでも心は落ち着きます。スマホは持たず、鳥の声や風の音、草木の香りなど、五感を通して自然を感じてみましょう。
- 手を使って何かをする: 編み物、塗り絵、簡単なDIY、料理など、手作業に没頭する時間は、思考から離れて「今、ここ」に集中させてくれます。完成を急がず、過程を楽しむことがポイントです。
- 静かに本を読む: 電子書籍ではなく、紙の本を手に取ってみましょう。物語の世界に没頭したり、知的な好奇心を満たしたりすることで、デジタル世界の喧騒から離れることができます。
- 好きな音楽をじっくり聴く: 音楽だけに集中して耳を傾ける時間を作ります。作業をしながらではなく、目を閉じて音の響きや歌詞に意識を向けるのがおすすめです。
- 温かい飲み物をゆっくり味わう: 好きな紅茶やハーブティーなどを淹れて、温かさ、香り、味をじっくりと感じながら、ただ座って過ごしてみましょう。短い時間でも、心を落ち着ける効果があります。
こうしたオフラインの時間は、意識的に「思考を一時停止させる」ためのものです。ネガティブな考えが浮かんできても、それを深掘りせず、「今、自分はこれをしている」という目の前の活動に意識を戻すようにします。
心のクセは変えられる
ネガティブな思考のクセは、長年の習慣で染みついたものかもしれません。すぐに完璧に変えることは難しいですが、ジャーナリングで自分の思考パターンに気づき、オフライン時間で心をリセットする習慣を続けることで、少しずつ心の状態は変わっていきます。
大切なのは、完璧を目指すのではなく、まずは「気づくこと」そして「試してみること」です。毎日少しずつでも、ジャーナリングやオフラインの時間を取り入れてみてください。それは、デジタル疲れで凝り固まった心をほぐし、より穏やかで自分らしい時間を取り戻すための一歩となるはずです。