デジタルに溜まる一方の「やりたいこと」:ジャーナリングとオフラインで行動に移すヒント
デジタルに「やりたいこと」が溜まる一方になっていませんか?
スマートフォンやPCには、気になる記事のブックマーク、後で読もうと思ったニュース、行ってみたいお店のメモ、やってみたいことのリストなど、「いつかやろう」がたくさん溜まっているのではないでしょうか。情報は手軽に集められる時代になり、私たちは日々膨大な量の「やりたいこと」や「知りたいこと」に出会います。
しかし、これらの情報やアイデアを、実際に自分の生活に取り入れたり、具体的な行動に移したりするのは意外と難しいものです。気がつけばリストは増える一方、何から手をつけていいか分からなくなり、結局何もできないまま時間だけが過ぎていく。デジタル疲れの一つとして、こうした「情報過多による行動の停滞」を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、デジタルツールに溜め込みがちな情報やアイデアを、内省を深めるジャーナリングとデジタルから離れたオフライン時間を活用して、具体的に「行動」に移すためのヒントをご紹介します。
なぜデジタルで溜め込むだけになってしまうのでしょう?
デジタルツールは、情報収集や記録に非常に優れています。ワンタップで保存でき、いつでも見返せるという手軽さが、私たちはつい「とりあえず」で情報を溜め込んでしまいます。
一方で、情報が多すぎると、かえって選択肢が多すぎて決断ができなくなったり、一つ一つの情報に対する思考が浅くなったりしがちです。また、デジタル空間では次々と新しい情報が流れ込んでくるため、せっかく保存した情報がすぐに過去のものとなり、見返されずに埋もれてしまうことも珍しくありません。
こうした状況から抜け出し、集めた情報を生きた知識や実際の行動へと繋げるためには、一度デジタルから離れ、じっくりと内面と向き合う時間が必要です。
ジャーナリングで「やりたいこと」を整理し、行動の第一歩を見つける
溜め込んだ情報やアイデアを整理し、具体的な行動計画に落とし込むのに役立つのがジャーナリングです。紙とペン、あるいはインターネットに接続しない状態のデジタルツールを使って、自分の思考を「書き出す」プロセスは、情報を客観的に見つめ直し、思考を深める効果があります。
ジャーナリングで「やりたいこと」を行動に移すためのステップの一例をご紹介します。
- デジタルツールに溜まった情報を「オフライン」で書き出す:
- まずは、スマホのメモやブックマーク、PCの保存フォルダなど、デジタルツールに分散している「やりたいこと」「気になること」を、ノートに書き出してみましょう。
- この段階では、リストアップするだけで構いません。大量にあっても気にせず、思いつくまま、見つけたままに書き出していきます。
- 書き出した中から「本当にやりたいこと」を絞り込む:
- 書き出したリストを見ながら、今の自分が「本当にやりたい」「実現したい」と思うものに印をつけたり、別のページに書き出したりしてみましょう。
- なぜそれがやりたいのか? やることで自分にどんな良いことがあるのか? といった問いを自分に投げかけ、考えて書き出すことで、その「やりたいこと」の持つ意味合いがより明確になります。
- 最初の一歩を具体的に計画する:
- 絞り込んだ「本当にやりたいこと」の中から、まずは一つ、あるいは二つ、今すぐにでも始められそうなものを選びます。
- そして、それを実現するための「最初の一歩」を具体的に決めます。「〇〇について調べる」ではなく、「〇〇という本を明日図書館で借りる」のように、場所や時間、具体的な行動を明確に設定します。
- 小さな一歩で構いません。大切なのは、考えただけで終わらせず、実際にアクションに繋げることです。
ジャーナリングのテーマとして、「私のやりたいこと100リスト」「今週中に手をつけるべきこと」「最近知って面白そうだと思ったこととその理由」などを設定するのも良いでしょう。書き出すことで、頭の中で漠然としていたことが整理され、次に何をすべきかが見えてきます。
オフライン時間で「行動」を後押しする具体的なヒント
ジャーナリングで計画を立てたら、次はそれを実行に移すための時間と環境が必要です。デジタルから離れたオフラインの時間は、集中力を高め、計画を実行に移すための貴重な機会となります。
「やりたいこと」をオフラインで行動に移すための具体的なヒントをご紹介します。
- 「デジタル断ち」して読書に集中する時間を作る:
- デジタルツールで気になっていた本や、積読になっていた本を手に取りましょう。スマートフォンの電源を切ったり、通知をオフにしたりして、読書に没頭する時間を作ります。気になった箇所をノートに書き写すのも、理解を深める良い方法です。
- 手芸やDIYで「ものづくり」を体験する:
- SNSで見かけた素敵な手芸作品やDIYアイデアに触発されたなら、実際に材料を揃えて挑戦してみましょう。手を動かす作業はデジタル疲れを癒し、五感を刺激します。完成した時の達成感は、デジタルでは得難いものです。
- 散歩や街歩きで新しい発見をする:
- 行ってみたいと思っていた場所、気になっていたお店に、デジタルマップだけに頼らずに出かけてみましょう。五感で感じる街の雰囲気や、偶然の出会いが、新たなひらめきや行動のきっかけになることもあります。
- 書き出した計画を「実行する時間」を設ける:
- ジャーナリングで決めた「最初の一歩」を実行するための時間を、意識的にスケジュールに組み込みましょう。例えば、「カフェで2時間集中して資格の勉強をする」「図書館に行って調べものをする」など、具体的な場所と時間を決めると実行しやすくなります。
オフラインの時間は、情報を取り込むだけでなく、自分の内面と向き合い、具体的な行動へと繋げるための「質」の高い時間です。デジタルで得た情報を眠らせておくのではなく、オフラインで「育てる」意識を持ってみましょう。
小さな一歩から始めて、行動の連鎖を
デジタルに溜め込んだ「やりたいこと」をすべて一度に実行しようとする必要はありません。ジャーナリングで整理し、オフライン時間で最初の一歩を踏み出すこと。その小さな成功体験が、次の行動への意欲に繋がります。
情報収集はデジタルで効率的に行い、その情報を咀嚼し、自分事として行動に移すプロセスはジャーナリングやオフライン時間を活用する。このように、デジタルとオフラインを賢く使い分けることで、情報過多に振り回されることなく、自分の「やりたいこと」を形にしていくことができるはずです。
今日から少しずつ、溜まっているリストを眺め、ジャーナリングで書き出し、オフライン時間で小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。きっと、情報を見ているだけでは得られなかった、充実感や達成感が待っているはずです。